「U RL で送る」には、2 つの段階がある
Premiere Pro で編集した動画を相手に見てもらうには、まず動画ファイルに書き出し、次にそのファイルをどこかに置いて URL を作ります。Premiere Pro のプロジェクトファイルを送っても、相手は再生できません。
この「書 き出す」と「置 いて URL にする」をどこでやるかで、方法が分かれます。もう一つの分かれ目は、相手からの返事の受け取り方です。「見 ました」だけでよいのか、「何 分何秒のここを直して」という指示を秒数つきで受け取りたいのかで、向いている方法が変わります。
Premiere Pro の中
Premiere Pro の外
1. 書き出して、転送サービスに手でアップロード
書き出しモードで動画ファイルに書き出す
ブラウザでギガファイル便や Google Drive を開き、ファイルを選んでアップロード
共有リンクをコピーして、チャットやメールに貼る
2. Premiere Pro の「共 有」から Frame.io へ
ヘッダーバーの「共 有」→「レ ビュー用に共有」で Frame.io の保存先を選ぶ
Media Encoder が書き出して Frame.io にアップロード
レビューリンクをコピーして送る
3. 拡張機能(エ ディレイ)
パネルで「書 き出して共有」を押す
書き出し → アップロードが自動で進む
共有 URL がクリップボードに入る
ここまでボタンひとつ
3 つの方法で、どこで何をするか。1 と 2 は各社の公開ページと Adobe ヘルプ、3 はエディレイ 1.0.9 の動きです。
1. 書き出して、ギガファイル便や Google Drive に手でアップロードする
いちばん一般的な方法です。Premiere Pro の書き出しモード(フ ァイル → 書き出し → メディア、または Ctrl + M / command + M)で動画ファイルに書き出し、ブラウザで転送サービスを開いてアップロードし、できた共有リンクを相手に送ります。Adobe ヘルプでは、ほとんどのオンラインビデオには H.264 が推奨されています。
ギガファイル便 は、公式サイトによると会員登録なしで使え、1 ファイル 300 GB まで送れます。保持期限を選べて、ダウンロードパスワードと削除キーも設定できます。相手はリンクを開いてダウンロードします。
Google Drive は、ファイルを置いてから「共 有」→「一 般的なアクセス」で「リ ンクを知っている全員」を選び、「閲 覧者」「閲 覧者(コ メント可)」「編 集者」のどれかを決めて「リ ンクをコピー」します。Google ドライブのヘルプによると、リンクを知っている全員に公開したファイルは、相手が Google アカウントにログインしなくても開けます。
この方法で受け取れる返事は、チャットやメールの文章です。「1 分 20 秒 あたりのテロップ」のように、秒数は相手が自分で読み取って書くことになります。
なお、YouTube や Vimeo に公開するのが目的なら、Premiere Pro の書き出しモードの左の列で出力先に YouTube・Vimeo などを選び、Premiere Pro から直接投稿できます(A dobe ヘルプ「P remiere でのビデオの書き出し」)。これは公開のための機能で、クライアントの確認用とは少し用途が違います。
2. Premiere Pro の「共 有」から Frame.io に送る
Premiere Pro には、レビュー用の共有の仕組みとして Frame.io が付いています。Adobe ヘルプによると、Frame.io はすべての Premiere Pro と Creative Cloud のサブスクリプションに含まれ、2 人 のユーザー・5 つ の同時プロジェクト・100 GB のストレージが使えます。
Adobe ヘルプにある「レ ビュー用に共有」の手順は、次のとおりです。
Premiere Pro のヘッダーバーの「共 有」を押します。
「レ ビュー用に共有」の下の「F rame.io の場所を選択」で、保存先を選びます(F rame.io アカウントへのログインが必要です)。
プリセット(W eb 1080 / Web 720 / ProRes 4444)で解像度を選びます。
「共 有」を押すと Adobe Media Encoder が起動し、シーケンスを書き出して Frame.io にアップロードします。
できたレビューリンクをコピーして、相手に送ります。
相手は共有リンクから最新の編集内容を開き、ビデオの特定のフレームにコメントや注釈を付けられます。編集を続けたあとは「共 有コンテンツを更新」で、同じリンクのまま新しい版を送れます。コメントは Frame.io パネルから「コ メントをインポート」で、タイムラインのマーカーとして読み込めます。
ただし、Adobe ヘルプのこの手順は「F rame.io(レ ガシー)」パネル向けと断り書きがあります。Premiere Pro 25.6 以降には新しい Frame.io V4 パネル(ウ ィンドウ → Frame.io → Frame.io V4)があり、V4 のアカウントはレガシーのパネルに対応していません。お使いの版とアカウントで、どちらのパネルを使うかを確かめてください。
3. 拡張機能で、書き出しから URL のコピーまでを行う
Premiere Pro の拡張機能の中には、書き出しとアップロードをまとめて行うものがあります。この記事を書いている Edilay の「エ ディレイ」も、その一つです。
エディレイは、Premiere Pro のパネルで「書 き出して共有」を押すと、アクティブなシーケンスの書き出し → 送信先へのアップロード → 共有 URL のコピーまでを自動で進めます。送信先は 3 つです。
ギガファイル便 — アカウント不要。保存期間を選んで送り、削除キーでパネルから削除できます(公 式 API ではなく公開ウェブサイトの通信手順を再現した非公式の方法で、当方は運営会社と無関係です。仕様変更で予告なく使えなくなることがあります)
Google Drive — 公式 API で、マイドライブの「E dilay」フォルダに保存し、「リ ンクを知っている全員が閲覧可」の共有リンクを作ります。要求する権限は、このアプリで作成・開いたファイルへのアクセスだけです
エディクラウド — 当方のサーバーで動画を預かり、共有ページで再生と秒数つきコメントができます。保存期間を過ぎると自動で消えます
エディクラウドに「添 削してもらう」で送ると、シーケンスの縦横のまま長辺 1920 px ・H.264・5 Mbps の軽い画質で自動的に書き出し、再生とコメントだけができる URL を作ります。相手はブラウザで開くだけで、アカウントもアプリも要りません。スマホでも使えます。
エディクラウドの共有ページ(実 際の画面)。動画とコメントは説明用に入れた例です。
相手が動画を止めて「今 の位置でコメント」を押して書くと、秒数つきのコメントが残ります。Premiere Pro のパネルで「添 削を見る」→「マ ーカーに取り込む」を押すと、そのコメントがタイムラインのマーカーとして秒数の位置に並び、行を押せば再生ヘッドがその時刻へ移動します。
取り込んだコメントが、Premiere Pro のマーカーになったところ(実 際の画面)。コメントの文は説明用の例です。
同じシーケンスをもう一度送ると、前と同じ共有 URL に「新 しい版」として送られ、相手は同じ URL のまま最新の版を見られます(毎 回新しい URL にすることもできます)。設定で「M edia Encoder で書き出す」をオンにすると、書き出しを Adobe Media Encoder に任せて、その間も Premiere Pro で編集を続けられます(P remiere Pro 26.3 以降)。
3 つの方法を比べると
項目 転送サービスに手でアップロード Frame.io(レ ビュー用に共有) エディレイ
書き出しとアップロード 書き出しは Premiere Pro、アップロードはブラウザで手作業 「共 有」から。Media Encoder が書き出してアップロード パネルの「書 き出して共有」で、書き出し → アップロード → URL のコピーまで自動
相手に必要なもの ブラウザ(G oogle Drive は「リ ンクを知っている全員」ならログイン不要) ブラウザ(共 有リンクから開く) ブラウザだけ。登録・インストール不要。スマホ可
秒数つきのコメント 無し(文 章で受け取る) あり(特 定のフレームにコメント・注釈) あり(エ ディクラウドの共有ページで、動画を止めて書く)
コメントをマーカーに 手で打つ Frame.io パネルの「コ メントをインポート」 パネルの「マ ーカーに取り込む」。行を押すと再生ヘッドが移動
同じ URL で新しい版 サービスによる 「共 有コンテンツを更新」で同じリンクに 同じシーケンスなら同じ URL に新しい版(設 定で変更可)
料金 ギガファイル便は無料(広 告なしの有料プランあり)。Google Drive は Google の容量による Creative Cloud に含まれる(2 人 ・5 プロジェクト ・100 GB ) プラグインは無料。ギガファイル便・Google Drive への送信は無料、エディクラウドは有料プラン(7 日間 の無料お試し)
表の Premiere Pro と Frame.io の欄は Adobe ヘルプ、ギガファイル便と Google Drive の欄は各社の公開ページ(い ずれも 2026 年 10 月 に確認)をもとにしています。
どれを選べばよいか
納品のファイルを渡したい・見てもらえれば足りる
転送サービスに手でアップロード
いちばん手軽で、相手にも説明が要りません。大きなファイルはギガファイル便、相手が Google を使っているなら Google Drive。
Creative Cloud の中で完結させたい・相手も Frame.io に慣れている
Frame.io の「レ ビュー用に共有」
追加の費用なしに、フレーム単位のコメントとマーカーへの読み込みが使えます。お使いの版のパネル(レ ガシー / V4)を確かめてから。
毎回の「書 き出してアップロードして URL を貼る」を 1 回の操作にしたい・相手はスマホで見て、秒数つきで直しを返してほしい
エディレイのような拡張機能
パネルのボタンひとつで URL まで進み、コメントは Premiere Pro のマーカーになります。
よくある質問
Premiere Pro のプロジェクトファイル(. prproj)を送れば、相手は見られますか?
見られません。プロジェクトファイルは編集の設計図で、動画そのものは入っていません。相手に見てもらうには、動画ファイルに書き出してから送ります。
共有 URL を開くのに、相手はアカウントが要りますか?
方法によります。Google Drive の「リ ンクを知っている全員」なら、Google ドライブのヘルプによると Google アカウントへのログインは不要です。Frame.io のレビューリンクはブラウザで開けます。エディレイの共有ページは、どの送信先でも相手の登録とインストールは要りません。
「何 分何秒のここ」という指示を、文章ではなく秒数つきで受け取るには?
相手が動画を止めた位置にコメントを残せる仕組みが要ります。Premiere Pro に付いている Frame.io か、エディレイのエディクラウドのように、動画を再生しながら「こ の位置でコメント」できる共有ページを使います。どちらも、受け取ったコメントを Premiere Pro のマーカーとして取り込めます。
書き出しの間、Premiere Pro で作業を続けられますか?
Adobe ヘルプによると、書き出しモードで「M edia Encoder に送信」を選ぶと、Adobe Media Encoder が書き出しを行います。Frame.io の「レ ビュー用に共有」も Media Encoder で書き出します。エディレイでは、設定で「M edia Encoder で書き出す」をオンにすると、書き出し中も Premiere Pro で編集を続けられます(P remiere Pro 26.3 以降)。